都市計画道路事業の説明会
8月初旬 「都市計画道路事業の説明会開催のご案内」というチラシが港区から配布されてきた。骨董通り(正式名称:補助線街路第23号)の事業についての説明会と書いてある。ついに、待ちに待った拡幅計画が始まるのかとワクワクしながら8月29日の説明会に参加した。場所は青南小学校講堂、港区関係者7-8名と、近隣住民30余名が参加していた。港区からの説明の概要は以下のようなものだった。
全幅25m、歩道幅は片側8mに拡張、電柱のない直線800mのゆったりとした緑豊かな並木道に
港区の担当者から計画の概要について説明があった。昭和39年の拡幅計画決定から60年が経過したが、ようやく計画始動に向けての準備が整い今回の計画発表に漕ぎつけた。対象路線は、骨董通り全線(全長810m) で、道路の全幅を現況の16mから9m広げ25mに拡幅。車道は片側1車線の2車線で実際上変更なし、車線幅は25cm広がるだけで今とほとんど変わらない。ということで拡幅分の片側4.5mはそのほとんどが歩道の拡張と樹木の植栽スペースに充当されるという。当然、電柱は全て埋設。全長810mのすっきりとした緑豊かな直線道路、ゆったりとした歩道が新たな交流と賑わいを生むに違いない。拡幅後のイメージ動画が会場上映されたが、まさに様変わりである。青山をいや日本を代表するファッションストリートになるポテンシャルは高いと思う。


完成は12年後の令和19年、用地の取得交渉が鍵
ただし、手放しで喜んでいるわけにはいかない。完成は早くて12年後の令和19年だという。来春に都から事業認可を取得することが事業の正式スタートになり、事業予算は総額530億円を予定しているという。道路の建設工事そのものは着工すれば数年で終わるが、問題はその前段の用地の取得交渉だ。ご承知の方も多いと思うが、骨董通りに面する建物には、約3メートルのセットバックと高さ10メートル以下という規制がかかっている。そのため多くのビルが「長靴ビル」という独特の外観を呈している。今後、港区は”歩道”になるこの長靴のつま先部分の買い取り交渉をビルオーナーと個別に進めていくことになる。これは気の遠くなりそうなタフな作業であり、この交渉の進捗が全体の工期に大きく影響する。全体を3から4分割して順繰りに対応するらしいが、難航必須であろうことは想像に難くない。ぜひ頑張っていただきたいものである。
帰り際に、港区の本件の責任者と立ち話をした。「計画ができてから69年以上、優先度は高かったのに、随分と長いことかかりましたね」と尋ねたところ「様々なことがありまして・・・」口をにごしておりました。その横で、近隣住民と思われる80歳前後の老婦人が「私は完成が見れそうもないから、子供や孫たちのためによろしくお願いします」というと、その責任者は「そんなこと言わずに長生きしてください」とおしゃっているのが印象的でした。かく言う私も、心境は老婦人と同じですが、完成を見届けることを新たな目標にして、長生きしようと誓いを新たにしました。
